2009年7月8日水曜日

映画「剱岳 点の記」

山の景色が好きで、たまに登ったりはしてみるけれど、一生縁がないだろうなと思う山もいくつかあって、その 1 つが剱岳。鋭い剣がそそり立つような絶壁。ジャンダルムと同じく、体力気力に加えて技術を備えていなければ、登ることはできない、登ってはならない山だ。

本来は選ばれた人しか見ることができないはずの景色を、大スクリーンで見られるという点 1 つ取っても、この映画は素晴らしい。山の朝焼け、雲海、雪壁。現地でのロケに拘ったという山の風景はとにかく圧巻。

新田次郎さんの原作を読んでいたため、ストーリーはある程度頭に入っていて、原作にはないキャラ付けやセリフは監督の個性なのだろうなと思いながら見た。そこは俳優さんにセリフとして言わせなくても伝わるんじゃないかしら、というところも若干あった (奥さんの「あなたの味方ですよ」というセリフとか)。わかりやすくていいのかもしれないけれど。 ラスト・シーンは、監督さんが、当時は決して報われることのなかった一行を労ってあげたくて追加したのかな、と思うとなんだか微笑ましいです。ちょっとびっくりしたけど。そして映画に携わった人みな、「山の仲間」なんですね。いいな。

それにしても、地下足袋に草鞋履きで藪でも沢でも岩でも雪の上でも乗り越えて行く役者さんたちの足元が映るたびに、痛そうだなぁ、根性要るなぁ、とどきどきしてしまった。厚底の登山靴をはいていても、足を痛めることがあるので。

そしておっさんは、仲村トオルが執拗に(?)勧める缶入りクッキーが欠けていなかったことに感心していた。

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似てないけど

山岳会の小島烏水を演じた仲村トオルさん。

まるでインディ・ジョーンズのような出で立ちで格好よかった。

 

 

私たちもおやつにクッキーを持って山に行くことがあるけれど、粉々になりがちなので。これも熟練登山者であるという描写だったりするのかしら???

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(仲村トオルさんの仲間役で、ステーキを食べて牛に親指を立てて見せる CM に出ている役者さんが出演されていたもので。)

映画館は 1 時間前にチケットを取りに行ったのに最前列から 2 列目付近しか空いていないという大盛況。年齢層は圧倒的に高めで、山で一番よく出会う、いわゆる「団塊の世代」が集結する映画なのでした。良い席の確保はお早めに。